
こんにちは、Lux Watch MastersのChronoです。
今回は、時計愛好家の間でも少し特別な立ち位置にいるブランド、ヤーマン&ストゥービ(Jaermann & Stübi)についてお話ししようかなと思います。機械式時計とゴルフという、一見すると相容れないような二つの世界を見事に融合させたこのブランド。高級時計に興味を持ち始めた方や、ゴルフを愛する方なら、一度は耳にして気になっている方も多いのではないでしょうか。
ネットで検索してみると、ヤーマン&ストゥービの評価や実際の評判について、本当に様々な意見が飛び交っていますよね。数十万円から百万円を超える新品の価格設定への率直な疑問や、ウブロに代表されるような他の高級スポーツウォッチとの違い、さらには中古市場での流動性や将来的な資産価値に関する不安まで、色々な声を見かけます。決して安い買い物ではないからこそ、「実際のところ、ブランドとしての実力はどうなの?」と悩む気持ち、すごくよくわかります。
そこで今回は、長年時計の世界に魅了されてきた一人のファンとしての視点から、ヤーマン&ストゥービが持つ本当の魅力や、市場におけるリアルな立ち位置をじっくり紐解いていきます。この記事が、あなたにとって最高の時計選びのヒントになれば嬉しいです。
JAERMANN & STUBI(ヤーマン&ストゥービ) | HANDA Watch World(ハンダウォッチワールド)↗
記事のポイント
- ヤーマン&ストゥービがゴルフ特化型と呼ばれる本当の理由
- 特殊な機械式カウンターと耐衝撃ムーブメントの仕組み
- ウブロなど他のスポーツウォッチとのブランド思想の違い
- リセールや中古市場における実情と資産価値の考え方
ヤーマン&ストゥービの評価とブランド力

まずは、ヤーマン&ストゥービというブランドが時計業界でどのように評価されているのか、その基礎となる歴史や技術力について見ていこうと思います。独自のポジションを築き上げた背景を知ることで、この時計の面白さがぐっと深まりますよ。単なるスポーツウォッチの枠を超えた、こだわりの強さに驚くはずです。
ヤーマン&ストゥービとゴルフの親和性

現代の高級機械式時計市場って、本当にたくさんのブランドがひしめき合っていますよね。ダイバーズウォッチやパイロットウォッチ、あるいはモータースポーツをテーマにした時計は数多く存在しますが、特定のスポーツ、しかも「ゴルフ」という単一のテーマにここまで徹底して特化したニッチブランドは、世界的に見ても非常に珍しい存在です。

ヤーマン&ストゥービは、2007年にスイスで設立されました。ウルス・ヤーマンとパスカル・ストゥービという二人の創業者が抱いた、「ゴルフプレー中のスコア管理を、味気ないデジタル機器ではなく、機械式時計で直感的かつ優雅に行いたい」という情熱がブランドの原点となっています。一般的に、ブランドが成長して知名度が上がると、より多くの顧客を獲得するためにターゲット層を広げ、ダイバーズやドレスウォッチなど多様なラインナップを展開しがちです。しかし、彼らは「THE TIMEPIECE OF GOLF(ゴルファーのための時計)」という哲学を掲げ、一貫してゴルフというテーマを守り抜いています。(出典:日本総代理店 株式会社ミスズ 公式サイト)
他の多くの高級ブランドもゴルフトーナメントのスポンサーになったり、プロゴルファーのアンバサダーを起用したりしていますが、それらはあくまで「既存の時計をゴルフの場でも宣伝している」に過ぎません。ヤーマン&ストゥービのように、時計の設計思想そのものをゴルフ専用にゼロから構築しているブランドは稀有なのです。単に文字盤にゴルフボールの模様を入れたり、グリーンカラーを採用しただけの「装飾的なゴルフウォッチ」ではなく、実用性を極限まで追求している点が、本物の時計ファンやギア好きのゴルファーから一目置かれ、高い評価を得ている最大の理由ですね。
日本の時計ファンにとっての朗報
現在は、日本国内で高級時計の販売を手掛ける株式会社ミスズが日本総代理店となり、より積極的で洗練されたプロモーションが展開されています。メンテナンス体制の充実や、実際に時計を手に取って見られる店舗が増えたことは、日本の時計ファンにとってブランドを身近に感じられる非常に嬉しい変化ですね。
ヤーマン&ストゥービのムーブメント

時計好きとしてどうしても気になってしまうのが、やはり内部に搭載されているムーブメントの性能です。一般的に、「機械式時計を着けたままゴルフをして大丈夫なの?」というのは、誰しもが真っ先に抱く疑問ですよね。ゴルフクラブがボールを捉えるインパクトの瞬間の衝撃や、スイングに伴う遠心力・反復振動は、数百個の微小なパーツで構成される繊細な機械式ムーブメント(特にテンプやヒゲゼンマイ、ローターの軸など)にとって、まさに天敵とも言える過酷な環境だからです。
ヤーマン&ストゥービは、この時計界における長年のタブーに対して真っ向から挑んでいます。最大の技術的ハイライトは、ゴルフスイング時の強烈な負荷からムーブメントを保護するために開発された、独自のショックアブソーバー(衝撃吸収)機構です。ケース内部でムーブメントを特殊な緩衝材やサスペンション構造で支えることで、腕に伝わる衝撃を大幅に減衰させる設計を取り入れているんです。これにより、「ゴルフをモチーフにした時計」ではなく、「ゴルフをプレーしながら実際に使える機械式時計」という唯一無二の価値を生み出しています。

時計の心臓部となるムーブメントには、信頼性の高い「Caliber A10」または「Caliber A10-2」といった自動巻きキャリバーがベースとして採用されています。約42時間のパワーリザーブ、毎時28,800振動(4ヘルツ)のハイビート、25石のルビーを使用し、ケースは100m防水を備えるなど、現代の高級スポーツウォッチとして日常使いにも十分すぎる基本性能を誇ります。
さらに素晴らしいのは、シースルーバック(裏スケルトン)を採用しているモデルでは、ローターの美しい動きだけでなく、この時計のキモである耐衝撃構造そのものを視覚的に楽しめる点です。自分が放ったナイスショットの裏側で、この精巧なサスペンションがしっかりと衝撃を吸収してくれていると想像するだけで、機械式ならではのロマンを存分に味わえますよね。
ヤーマン&ストゥービのカウンター機構

そして、このブランドのアイデンティティを語る上で絶対に外せないのが、特許を取得している独自の「機械式ゴルフカウンター」です。
今の時代、GPS搭載のスマートウォッチやスマートフォンのアプリを使えば、スコア管理からコースのヤード計測まで一瞬で、しかも正確に行うことができます。利便性やデータ分析の観点から言えば、間違いなくデジタル端末の圧勝でしょう。でも、ヤーマン&ストゥービはあえて複雑な歯車、レバー、カムを使ったアナログなからくり機構で、ストローク数やホール数をカウントするという、非常にマニアックな道を選びました。この「無駄とも思える複雑さ」に挑む姿勢こそが、高級機械式時計の真髄ですよね。
アナログがもたらす極上の操作感と優雅さ

この機構の操作は、実に直感的でゴルファーの心理に寄り添っています。ショットを打つたびにケースサイドにあるプッシャーをカチッと押し込むと、文字盤上のカウンターが打数を記録します。そして、見事パットを沈めてホールアウトした後は、別のプッシャーや操作を行うことで、そのホールの打数が累計のトータルスコアへ自動的に加算され、同時にプレイ中のホールカウンターが次のホールへと進む仕組みになっています。モデルによっては、針が扇状に動いて瞬時にスタート位置に戻る「レトログラード表示」を採用しており、視覚的にも非常にユニークで躍動感のある表情を見せてくれます。
さらに、回転ベゼルを活用して自分のグロススコアとハンディキャップを比較し、ネットスコアをアナログ計算できる補助機能まで備わっているモデルもあります。ラウンド終了後には、専用のリューズ操作でカウンター全体を一瞬でゼロにリセットすることも可能です。
大人の余裕を楽しむためのギミック
スマートウォッチのように充電切れを心配する必要がなく、何十年後でも動き続けるのが機械式の強みです。ショットのたびに精巧な金属のプッシャーを押し込む感触は、高級クロノグラフを操作する時のような心地よさがあります。あえて精巧な機械を操る喜びに価値を見出せる、大人のゴルファーにこそふさわしい機構かなと思います。
ヤーマン&ストゥービの限定モデル

ヤーマン&ストゥービの評価を世界的により一層高め、熱心なコレクターたちを惹きつけているのが、圧倒的な物語性に満ちた限定モデルの存在です。通常のラインナップも素晴らしいのですが、限定モデルに込められた情熱は常軌を逸していると言っても過言ではありません。
特に「Legends(レジェンズ)」と名付けられた一連のシリーズは、単なる文字盤の色違いや刻印を入れただけの安易な限定モデルではありません。なんと、ゴルフ史に名を残すレジェンドゴルファーが、歴史的な勝利を収めたトーナメントで実際に使用していたゴルフクラブのヘッドを溶かし、時計のケース素材として再利用しているんです。例えば、あの「天才」セベ・バレステロスが愛用した鍛造アイアンセットを溶かして作られたケースは、ステンレススチールとは異なる独特の鈍い輝きと重厚感を放ちます。また、1991年のマスターズで優勝したイアン・ウーズナムのクラブを用いたモデルなど、名選手たちが放った歓喜のショットの記憶が、物理的に時計の中に封じ込められているのです。もう、ゴルフファンにとってはこれだけで鳥肌が立つような究極のストーリーですよね。

さらに、世界中のゴルファーが憧れる「ゴルフの聖地」、スコットランドのセント・アンドリュース・リンクスと公式なサプライヤー契約や公式タイムキーパーの契約を結んでいた実績も、このブランドの確固たるステータスを証明しています。単にゴルフの名前を借りているのではなく、ゴルフ文化の中枢から正式に認められているのです。
もちろん、メンズモデルだけでなく、チタンケースを採用して軽快な装着感を実現したスポーティな「Eagle Heart」や、女性ゴルファーに向けてケース径を38mmに抑え、ゴルフボールのディンプル(くぼみ)をモチーフにしたエレガントな文字盤が特徴の「Queen of Golf」など、多様なニーズに応えるコレクション展開も魅力の一つです。
ヤーマン&ストゥービの評判と価格設定

さて、時計の魅力は十分に伝わったかと思いますが、購入を検討する上で避けて通れない現実的なお話もしておきましょう。それは価格です。ヤーマン&ストゥービの価格帯は、エントリークラスのモデルでも数十万円台の後半、メインどころのコンプリケーション(複雑機構)モデルになると100万円前後、さらに限定素材を使用した特別なモデルでは200万円を超えることもあり、高級時計市場の中でも決して安くない部類に入ります。

この強気とも言える価格設定に対する市場の評判は、正直なところ人によって明確に分かれます。時計のステータス性やリセールバリューを最優先する方からは、「誰もが知っているロレックスやオメガ、IWCと同じ金額を出すなら、迷わずそちらを買う」「ベースムーブメントが汎用キャリバーであることを考えると割高に感じる」という厳しい意見があるのも事実です。
価格に関するご注意
時計の販売価格やムーブメントの仕様に関しては、為替の変動やモデルの製造時期、ブランド側の戦略によって予告なく変更される可能性があります。あくまで一般的な目安として捉え、正確な最新情報は必ず正規販売店や公式サイトをご確認ください。
しかし、時計の価値は単純なスペック表だけで測れるものではありません。ゴルフスイングの衝撃に耐えうる特殊なショックアブソーバーの開発費、特許を取得した超複雑な機械式ゴルフカウンターの設計・製造コスト、そしてスイス・ジュラ山脈の熟練職人の手作業による極めて小ロットの限定生産体制。これらを考慮すれば、この価格設定は決して不当なものではないと理解できるはずです。
さらに、「伝説のゴルファーのクラブを身に着ける」という他にはない唯一無二の物語性を含めれば、その価値に深く納得し、喜んで対価を支払うファンがいるのも当然です。万人受けを狙うメガブランドではなく、ニッチな領域で「刺さる人にだけ深く刺さればいい」という潔い姿勢が、この価格帯に表れていると言えるかもしれませんね。
ヤーマン&ストゥービの評価と市場の現実

ここからは、他の競合ブランドとの比較や、どうしても気になってしまうリセール市場での動きなど、少しシビアな「市場の現実」という側面からヤーマン&ストゥービの評価をさらに深く掘り下げてみたいと思います。
ヤーマン&ストゥービとウブロの違い

高級なゴルフウォッチを探していると、必ずと言っていいほど比較対象として名前が挙がるのが、スイスの革新派ブランドであるウブロ(HUBLOT)の「ビッグ・バン ウニコ ゴルフ」です。どちらも「機械式時計でゴルフのスコアをカウントできる」という極めて特殊な共通点を持っていますが、両者が目指すブランドの思想やアプローチの仕方は、驚くほど対照的でまるで異なります。
| 比較項目 | ウブロ(ビッグ・バン ウニコ ゴルフ) | ヤーマン&ストゥービ |
|---|---|---|
| ブランドの世界観 | カーボンやテキサリウムなど最先端素材を多用し、スケルトン文字盤で魅せる「現代的でアグレッシブなラグジュアリー・スポーツマシン」。視覚的なインパクトと派手さが絶大。 | クラシカルな金属ケースの重厚感と、伝統的な時計製造技術、ゴルフ史への敬意を重んじる「クラシックな機械式工芸品」。大人の余裕と奥ゆかしさがある。 |
| ムーブメント | 完全自社開発のクロノグラフムーブメント「ウニコ」をベースに、ゴルフカウンターモジュールを統合したハイテク仕様。非常に軽量化されている。 | 信頼性の高い実用ムーブメントに独自のショックアブソーバーと特許取得のアナログカウンターを組み合わせた、堅牢でロマンあふれる伝統的仕様。 |
| 主なターゲット層 | 最新のファッショントレンドに敏感で、コース上でも圧倒的な存在感を放ちたい、目立つことを好むゴルファー。 | ゴルフの歴史や伝統を愛し、見せびらかすのではなく自己満足として精巧な機械式ギミックを楽しみたい、通なゴルファー。 |
例えるなら、ウブロが最新鋭のカーボン製スーパーカーだとすれば、ヤーマン&ストゥービは職人が手作業で組み上げた歴史あるクラシックカーのようなイメージですね。どちらの時計が絶対的に優れているという話ではありません。あなたが「最先端のテクノロジーと派手さ」を求めるのか、それとも「伝統的な機械式の温もりとゴルフの歴史」という世界観に共鳴するのか。自分自身のプレースタイルや価値観に合わせて選ぶべきだと思います。
ヤーマン&ストゥービの中古市場での動き

高級時計を購入する際、「万が一、将来的に手放すことになったらどれくらいの値段が付くのか?」と、中古市場での動きや換金性を気にする方は非常に多いですよね。決して安い買い物ではないので、そのリスクヘッジは当然の心理だと思います。
ヤーマン&ストゥービの中古市場における実情について率直に申し上げると、世界的な流通量・生産量そのものが極めて少ないため、安定した中古相場が形成されにくいというのが現在の現実です。ロレックスやオメガのように、どの中古時計店のショーケースにも必ず並んでおり、インターネットで検索すればすぐに買取相場が分かるようなメジャーブランドとは異なります。そのため、買取店に持ち込んでも、お店側が過去の取引データを持っていないため、買取価格の目安が立てづらく、査定額が想定よりも伸び悩むケースも少なくありません。
また、特殊なショックアブソーバーや複雑なカウンター機構を搭載しているため、オーバーホールなどのメンテナンス費用が通常の3針時計よりも高額になる可能性があり、それが中古価格の評価に影響を与えることも考えられます。
したがって、「買って数年楽しんで、高く売って次の時計の資金にする」といった短期的な売買や流動性を楽しみたい方にとっては、少しハードルが高く、不向きなブランドかもしれません。リセールバリューを気にしてハラハラするよりも、「一生モノのゴルフの相棒」としてじっくりと長く付き合うことを大前提に購入されることを強くおすすめします。
資産価値の真実

では、ヤーマン&ストゥービの時計には全く資産価値がないのか?と問われれば、それもまた少し違うと私は考えています。
一般的なレギュラーモデルの換金率や市場の流動性は、いわゆる王道のメガブランドには遠く及びません。時計市場全体が盛り上がっているからといって、購入した直後から定価を上回るプレミア価格がついて高騰する……といった、昨今のロレックスやパテック・フィリップに見られるような「金融資産・投機対象としての期待」は、初めから持たない方が絶対に賢明です。
資産価値・投資目的での購入に関する注意
時計の買取価格や二次流通市場での資産価値は、マクロ経済のトレンド、ブランドの今後の戦略、そして個体の状態によって常に激しく変動します。「必ず高く売れる」といった保証はどこにもありません。資産防衛や売却等の最終的な判断は、ご自身の責任において専門の鑑定士や買取店にご相談ください。
ただし、先ほどご紹介した「レジェンドゴルファーの実際のクラブを溶かして作った限定モデル(Legendsシリーズ)」などは、全く別の評価軸で見る必要があります。こういった由来が明確で希少性の高いコレクターズピースは、純粋な時計としての枠組みを超えて、「ゴルフというスポーツの歴史的遺産(メモラビリア)」としての価値を帯びてきます。熱狂的なゴルフコレクターの間でオークションにかけられれば、一般的な時計の相場観とは異なる高い評価を受ける可能性も十分に秘めています。つまり、ヤーマン&ストゥービの資産価値は「ブランド全体の平均相場」で決まるのではなく、個体ごとの「唯一無二の物語性」に大きく左右される、非常に通好みな性質を持っているんですね。
ヤーマン&ストゥービを愛用する著名人

ブランドのイメージやステータスを形作る上で、「一体どんな人がこの時計を着けているのか?」というのは、購入を検討する際に気になるポイントの一つですよね。
ヤーマン&ストゥービは、海外の伝説的なプロゴルファーやゴルフ界の重鎮たちに愛用され、彼らとの協業を通じて確固たる信頼を築き上げてきました。そして近年、日本国内でもその知名度は急上昇しています。俳優の小泉孝太郎さんが出演する上品なテレビCMが放映されたり、人気のYouTubeチャンネルでタレントのヒロミさんや俳優の三浦翔平さんがハワイでのゴルフラウンド中にヤーマン&ストゥービを実際に着用してプレーを楽しむ様子が配信されるなど、メディアでの露出が格段に増えています。これにより、かつての「一部の時計マニアだけが知る隠れた名門」から、感度の高いゴルフ愛好家全般へと認知が広がりつつあります。
ただ、私が時計ファンとしてこのブランドが本当に素敵だなと感じるのは、有名人が着けているから価値がある、という薄っぺらい流行ではなく、「ゴルフを心から愛する大人たちが、ブランドの揺るぎない哲学に深く共感し、自らの意思で選んで身に着けている」という空気感が根底にあることです。富やステータスを分かりやすく見せびらかすためのギラギラしたアイコンではなく、純粋に自分の趣味を極め、その時間を豊かに楽しむ成熟した大人のための時計なんですね。ゴルフ場のクラブハウスで、袖口からチラッとこの時計が見えたら、「おっ、この人は本当にゴルフと時計が好きなんだな」と、分かる人には強烈に伝わる。そんな粋な魅力を持っています。
結論:ヤーマン&ストゥービの真の評価

さて、ここまでヤーマン&ストゥービの歴史や技術、他ブランドとの比較から中古市場のシビアな現実まで、様々な側面を徹底的に見てきましたが、結局のところ、このブランドの真の評価はどう結論づけるべきなのでしょうか。
私の個人的な結論としては、「圧倒的な個性と情熱を持った、愛すべき最高のニッチブランド」だと思っています。もしあなたが、街中での圧倒的な知名度の高さや、数年後に高く売れるというリセールの良さ、誰もが一目で「高級時計だ」と気づいてくれるような普遍的なステータスシンボルを最優先して探しているのなら、正直に申し上げて、ロレックスやオメガ、あるいはウブロといった王道ブランドを選んだ方が、間違いなく幸せになれると思います。
しかし、「ゴルフというスポーツの奥深い歴史や紳士の精神を、常に肌で感じていたい」「デジタルな実用性だけでなく、無駄とも思えるような精巧な機械式のアナログギミックにこそ心を奪われる」「他の誰とも被らない、自分だけの特別なストーリーを持った時計が欲しい」という方にとって、ヤーマン&ストゥービはこれ以上ない、唯一無二のパートナーになるはずです。
万人に好かれるブランドになることを潔く諦め、ニッチであることを恐れず、むしろそれを最大の強みに変えて「ゴルフ特化」という一つのテーマを極め続けるヤーマン&ストゥービ。その時計を腕に巻くということは、単に時間を知るための道具を買うことではなく、ゴルフ文化に対する深い愛情と、スイス時計産業が誇る機械式時計のロマンを同時に所有するということなのだと思います。もしあなたが少しでもこのブランドの哲学に心惹かれているのなら、ぜひ一度、正規代理店に足を運んで、その精巧なギミックを直接指先で体感してみてください。きっと、その魅力の虜になるはずですよ。




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